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問題5
テロリストはヅラ

 

 

「誰かいますかァ~~?」

 優姫は縁側の下を覗き込みながらそう独り言を言っていた。
 広い屯所だとは言え、やはり見る所など少なく進んでは縁側の下を覗き込む。また進んでは覗き込む、と言う行動を優姫は何度も繰り返していた。

「やっぱり暇~~~」

 ぷぅっと頬を膨らませて顔を上げた時、いつも閉まっている筈の裏門が微かに開いていて優姫は嬉しそうな表情で駆け寄った。

「わ~~~~此処開いてるの初めて見た~~」

 ひょこっと門から顔を出して外を覗き見た。
 裏道らしく人はほとんどいないが、裏道から大通りへ通じているらしく優姫はソワソワして言った。

「出たいなァ……でも近藤に―ちゃん帰ってきたらお菊さんお話してくれるって言ったし……むぅ――」

 外に出たい、と出てはいけない、と言う事実に優姫が困っていると見覚えのある姿が目に入ったのだった。

「近藤に―ちゃん!」

 パァッと優姫は顔を輝かせて呼んだ。
 しかし近藤はこそこそと動いていて何かを確認すると、すっと角を曲がって姿が見えなくなってしまう。

「う――う――――」

 優姫は頭を抱えて考えると急いで縁側に戻ってカバンを肩に掛けて言うのだった。

「優姫大佐行きますっ!目標はこそこそしてる近藤に―ちゃんです!」

 優姫は裏門を出ると近藤のいた方向へ急いで走って行くのだった。





「……此処……何処?」

 優姫は広い通りにぽつ―んと立って呟いた。

「近藤に―ちゃん何処行っちゃったのかな……」

 きょろきょろと近藤の姿を探していると後ろの方から話し声が聞こえた。

「大使館……これ戌威星の大使館ですよ」
「嫌なトコ来ちゃったなオイ」

 聞き覚えのある声に振り返った優姫は嬉しそうな表情になって言うのだった。

「前に道教えてくれたおに―ちゃん!」

「誰かいますかァ~~?」

 優姫は縁側の下を覗き込みながらそう独り言を言っていた。
 広い屯所だとは言え、やはり見る所など少なく進んでは縁側の下を覗き込む。また進んでは覗き込む、と言う行動を優姫は何度も繰り返していた。

「やっぱり暇~~~」

 ぷぅっと頬を膨らませて顔を上げた時、いつも閉まっている筈の裏門が微かに開いていて優姫は嬉しそうな表情で駆け寄った。

「わ~~~~此処開いてるの初めて見た~~」

 ひょこっと門から顔を出して外を覗き見た。
 裏道らしく人はほとんどいないが、裏道から大通りへ通じているらしく優姫はソワソワして言った。

「出たいなァ……でも近藤に―ちゃん帰ってきたらお菊さんお話してくれるって言ったし……むぅ――」

 外に出たい、と出てはいけない、と言う事実に優姫が困っていると見覚えのある姿が目に入ったのだった。

「近藤に―ちゃん!」

 パァッと優姫は顔を輝かせて呼んだ。
 しかし近藤はこそこそと動いていて何かを確認すると、すっと角を曲がって姿が見えなくなってしまう。

「う――う――――」

 優姫は頭を抱えて考えると急いで縁側に戻ってカバンを肩に掛けて言うのだった。

「優姫大佐行きますっ!目標はこそこそしてる近藤に―ちゃんです!」

 優姫は裏門を出ると近藤のいた方向へ急いで走って行くのだった。





「……此処……何処?」

 優姫は広い通りにぽつ―んと立って呟いた。

「近藤に―ちゃん何処行っちゃったのかな……」

 きょろきょろと近藤の姿を探していると後ろの方から話し声が聞こえた。

「大使館……これ戌威星の大使館ですよ」
「嫌なトコ来ちゃったなオイ」

 聞き覚えのある声に振り返った優姫は嬉しそうな表情になって言うのだった。

「前に道教えてくれたおに―ちゃん!」

「「「 え? 」」」

 その声で優姫の事に気が付いた青年は素早く優姫の所に来て言った。

「お―お―いつぞやのお嬢ちゃんじゃねーか」
「こんにちは――」

 にこにこっと挨拶をすると少年が優姫の事を見ながら青年に向かって言ってきた。

「銀さんこういう趣味だったんですか?」
「新八君失礼しちゃうな~~。銀さんそんな趣味無いから」

 そう言いながらも優姫の肩をがしっと掴んで言うと手荷物を持ち、唐傘を差している少女がきっぱりと言う。

「銀ちゃん全然説得力ないネ」
「オイオイそんな事言うと銀さんいじけちゃうって」

 そう言う青年を見上げ優姫は尋ねてみる。

「おに―ちゃん達何してるの――?」

 すると青年は優姫の目線の高さに合わせてしゃがむと、名刺を渡しながら言うのだった。

「仕事だ、仕事」
「えっと……『万事屋銀ちゃん 坂田銀時』。万事屋?」

 首を傾げて尋ねると銀時はびしっと自分を指さして言った。

「何でも屋って事だ。お嬢ちゃんも何か遭ったら来て良いからな。むしろ今すぐにいらっしゃい」
「何言ってるですか」

 すぱっとツッコミを入れた新八を見、名刺と銀時を交互に見た優姫はパァっと顔を輝かせて言った。

「何でも屋 !? 格好いい~~~~」

 純粋過ぎる視線を浴び、銀時は悶えて地面を転がるのだった。

「銀さん完全に変態ですよ……」
「銀ちゃん変態――」

 悶える銀時を見て新八は優姫にはっきりと伝えておく。

「君この人とあんまり一緒にいたら危ないよ」
「新八の言うとおりアルね。銀ちゃんと一緒に居たら危ないアルよお嬢さん。まあ銀ちゃんが何かしようとしたらこの神楽が倒すアル」

 新八に続く様に言った神楽に優姫は何事も無い様なにっこり笑顔でこう言ったのだ。

「私の周りにいる人ってみんなこんな感じだから大丈夫だよ~~」
「どんな所ですかソレ……」

 新八が呆れ返っているとやっと立ち上がった銀時が何事も無かったかの様に言った。

「おめ―らさっさと用事済ませて帰るぞ」
「そうですね、荷物届けるだけですし」

 すると迷子になっている事を思い出した優姫は銀時の着物の裾を掴んで言った。

「私も着いてって良い?」
「もちろん!」

 がしっと優姫の手を掴むと銀時は言う。

「何処までも着いてきて良いに決まってるだろう?つ―かこの際このまま夜のかぶき町へ……」
「何してるんですか」
「この変態パーマが」

 素早く新八と神楽の攻撃を受け、銀時はずざざっと飛ばされてしまった。

「本当に危ないから気を付けてね」
「銀ちゃんの半径100m以内は危険アル」
「多くねェか !? 」

 神楽の一言に素早く銀時がツッコミを入れた。

「んまァ取りあえず……」

 ガリガリと頭を掻きながら銀時は笑顔で言った。

「よろしくな。えっと…………」
「優姫だよ」
「優姫ちゃんかよろしくな」

 ぐしぐしっと頭を銀時に撫でられ嬉しそうな表情をしていたら、先程から騒がしかったらしくぬっ、と人影が現れ言われた。

「オイ。さっきからこんな所で何やってんだてめ―ら。食われて―のかああ?」
「犬……」

 犬の姿をした戌威族の門番人が現れ優姫がぼそっと言っている中、新八が慌てて弁解していた。

「いや……僕ら届け物頼まれただけで」
「オラ神楽、早く渡……」

 せ、と言おうとした銀時だったのだが神楽の姿を見て素早く頭を叩く。

「犬じゃねェっての、天人だって」
「届け物が来るなんて話聞いてねーな。最近はただでさえ爆弾テロ警戒して厳重体制なんだ帰れ」

 そうはっきりと言われてしまい、神楽の手から取り上げた荷物を差し出しながら銀時は言った。

「ドックフードかもしんねーぞもらっとけって」
「そんなもん食うか」

 ぱしっと荷物を叩かれるとその反動で荷物は大使館内に飛んでいき、トンと地面に落ちる。刹那ドカンと言う爆音と共に荷物が大爆発するのだった。
 それにその場にいた全員がぽか―んとしている中優姫は驚きながらもぼそっと率直な感想を述べた。

「過激なお届け物だァ……」
「……なんかよくわかんね―けど、するべき事はよくわかるよ」

 爆発した大使館を見つつ銀時は叫んだ。

「逃げろォォ !! 」

 ばっと走り出すと素早く新八が門番人に捕まった。

「待てェェテロリストォォ !! 」
「 !! 」

 捕まった新八は素早く銀時を捕まえ、その銀時は神楽を捕まえる、と言うなんともおかしな光景が繰り広げられるのだった。

「あわわわ……」

 ぎゃーぎゃーと言い合いをしている銀時達に優姫はどうすれば良いのか分からず、慌てふためいていた。

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